タイトル

「古い生きかたと新しい生きかた」 トンズラ

 僕は処方薬と市販薬の乱用が止められず、どうにもならなくなってしまい、約8年前に群馬ダルクにつながりました。自分がなぜ薬物に手を出してしまったのかというと、社会とうまく関われず、正しい解決法を見つけようとしませんでした。自立して生活していく上では仕事、人間関係などをそつなくこなし、嫌なことや困難なことも乗り越えていかなければいけないと思うのですが、自分はそれらのことがうまくできずに成人になってからも親に頼って生きることしかできませんでした。他人と比較して自分はなんてダメな人間なんだろうと自己嫌悪にひたる毎日でした。このままではいけないという焦りもありましたが、どうしたら良いのか全く分からずに悩んでいたところ、薬物と出会いました。薬物を使うと悩みから解放され全てのことがどうにかなるような気がして、あっという間に薬物の虜となって連続使用になり、そこからは借金や盗みを繰り返し、自分の命以外のほとんどの物を失いました。
 群馬ダルクにつながってからは、仲間のサポートのおかげですぐに薬物は止まりましたが、薬物以外に自分が抱えている生きづらさに悩まされることがいまだに沢山あります。例えば、仲間とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、何でも自分の思い通りにしようとしたり、本音をなかなか言い出せず1人で抱え込もうとするところ、苦手なことや嫌なことには挑戦せずにそこから逃げようとする所など、書き出せばキリがないほど問題が山積みですが、こうした自分自身の問題に気付けたことは本当に良かったと思っています。
 最近の自分は4フェーズに挑戦するための準備を進めています。群馬ダルクでは1~4フェーズという段階制度があり、段階が上がれば自由と責任が増えるシステムになっています。このシステムは自分がうまく関われなかった社会の構造と似ていて、自分の克服しなければいけない問題と直面せざるおえません。自分にとって大きなチャレンジになると思います。これまでより役割や責任などが増え、失敗やうまくできないことも多くなり、自分自身の問題に悩まされることがあるだろうと思いますが、それと同時に自分自身を変えるチャンスであると前向きにとらえてチャレンジしたいと思います。手助けしてくれる仲間を信じて、これからも回復していきたいと思います。

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群馬DARCパンフレット(当事者向け)
群馬DARCパンフレット(当事者・関係機関向け)