タイトル

「群馬ダルクでの1年間」のり

 群馬ダルクに入寮している依存症のノリと申します。群馬ダルクには去年の8月から入寮しています。 群馬ダルクの入寮を通して体験したことを書きたいと思います。
 群馬ダルクに入寮している理由は、薬物なしで、幸せに生きていきたいからです。 私の中の幸せとは、薬物抜きの人生を楽しみながら、目標に向かって頑張り、 一つ一つの目標を達成していくことです。 私が、薬物を使用していた頃は、薬物なしで、何事も楽しめませんでしたし、薬物なしで、目標を達成することは、できませんでした。スポーツ観戦するのでも、薬物がないと盛り上がることができませんでした。 映画や海外のドラマを見るのもそうでした。体を動かすことは小さい頃から好きだったのですが、薬物の使用中は、太ったり、痩せたりしていて、実際はほとんど体を動かしていませんでした。 目標は、大学卒業することや、就職すること、そして就職先で頑張ることなどと、一応定めてはいたのですが、やはり、薬物なしでは、やる気が起きませんでした。 要するに、薬物なしで生きていけませんでした。
 群馬ダルクに来て、薬物抜きで楽しめなかったことを大いに楽しめています。 サッカーや野球の試合を見に行ったり、スポーツの試合を仲間と一緒に施設で観戦したりして、 非常に盛りあがっています。体を動かすことも信じられない程充実しています。一緒に走ってくれる仲間や一緒に筋トレしてくれる仲間がいて、体力的に日々向上しています。いくつかのマラソン大会にも出場できましたし、筋トレも少しずつですが、やれる量が増えてきています。さらに映画やドラマに関しては、暇があったら仲間と楽しんで鑑賞しています。
 私の目標は施設を出て、親に依存しないで自立することです。現在、配達の仕事をしながら、資格を取ろうとしていて、その資格をいかしてしっかり職に就こうと思っています。 仕事や勉強を薬物なしでやることなど考えられませんしたが、まだ短い期間ですけど、やりこなせています。現段階では、私の定義の中では少しずつですが、幸せになっていっています。
 信頼できる仲間との分かち合い、カウンセリングや施設プログラム、個人プログラムを通じて、私の正直な気持ちと向き合うこと、また、過去はどうであったか、現在はどうなったか、 また将来はどうなっていきたいのかを明確に知ることができています。それらなしでは、人生を楽しむこともできなければ、目標を達成することはできていないと思います。ここまで辿り着くまでに、群馬ダルクだけではなく、他の施設でも多くの失敗をしてきました。やる気が全く無く、自己中心的な行動で色々な人に迷惑を掛けてきました。しかし、それらの経験はすべて私が幸せの道を歩む為には必要だったのかもしれません。やる気を見せれば、ここの人たちも、外部の人たちも全面的に応援してくれました。だから、助けてくれた人たちには感謝していますし、迷惑を掛けた人たちにも、 タイミングが合う時に埋め合わせをしたいと思います。
 群馬ダルクに1年以上入寮していて、良いことも悪いこともあり、感情の浮き沈みがあり、 本当に色々なことがありましたし、数えきれない程沢山のことを体験しました。 そういった中でも、プログラムや仲間を通じて幸せの道を歩んでいます。 まだ、至らない点が数多くあるので、それらとちゃんと向き合って改善していきたいです。 また施設を退寮しても、この道を歩んでいけるように、「今日1日」という精神で頑張っていきたい思います。

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群馬DARCパンフレット(当事者向け)
群馬DARCパンフレット(当事者・関係機関向け)